はじめに
観光地や人の動きが多様化・複雑化する今日、単純な推計モデルだけでは「人がどこへ何をしに移動するか」という“動き”を把握するには限界があります。
そこで今回、実際の「人のように考え、行動を選択する」仮想エージェントを複数用いて、観光シーンにおける行動をシミュレーションするアプリをα版として公開いたしました。
このアプリでは、仮想の観光客(=エージェント)が他の仮想観光客とやり取りを行い、興味・口コミ・混雑・気分などを踏まえて、「次にどこへ行くか/何をするか」を自律的に決めていきます。
観光施策を検討するうえでの“行動予測”や“動線シミュレーション”を、より“人の思考・意思決定”に近づけた形で試すことができるデモ環境です。
アプリの特徴
1. 複数エージェントによるインタラクション
単一の仮想人物ではなく、複数のエージェントが「ここ行こうか?/あっち混んでる?/じゃあこっちにしようか?」と議論・調整しながら動きます。
これにより、他の観光客の動き・影響を仮想的に再現し、「混雑を避けるためにルートを変える」「一緒に移動するグループができる」など、行動の変化を捉えやすくなります。
2. 「次の行動」を言語モデルで決定
各エージェントは、あらかじめ設定された興味・移動コスト・滞在時間・現在地などを基に、次に取るべき行動を大規模言語モデル(LLM)を活用して判断します。
たとえば「○○の観光地がとてもよかったですよ」と聞いたエージェントが当初の予定を変更して○○に移動するなど、リアルな観光客の心理に近づいた意思決定プロセスを再現します。
3. 観光施策検討への応用が見える
このような仮想的な“人の動き”を再現することで、次のような用途に活用が可能です:
- 混雑発生の予測・回避策検討
- 観光ルートの最適化・滞在時間の分析
- 新しい観光プログラムやイベントが人の動きをどう変えるかの仮説検証
- 実際のデータと組み合わせて“もしも”のシナリオ分析
α版リリースにあたって
このバージョンはあくまで α版(試作・公開実験版) です。
現段階では動作環境や入力条件、最適化ロジックについて簡易化をしています。
皆さまからのフィードバックをいただきながら、観光分野における“人の動き”を捉えるための実践ツールへと育てていきたいと考えています。
アプリはこちらから:https://travel-movement-simulation-frontend.onrender.com/


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